カテゴリー別アーカイブ: コラム:コンピュータ

ITは人を幸せにするのか。

ITって何でしょう。
車が世の中にでて、物理的な移動時間を短縮することに成功し、さらにITが世の中にでて、物理的な移動をせずにコミュニケーションをしたり、風景を見たりすることができる世の中になりました。
車もITも結局は、時間の短縮のためのツールですよね。
車は、A地点からB地点までに行くことを短縮してくれる。
ITも、移動せずにコミュニケーションできるということで時間の短縮をしてくれる。
時間が短くなったということは、今までよりも単位時間の出来事が”濃く”なった、ということなんだとおもいますが、皆さん「濃くなってるなぁ!」って思います?。
今まで1時間掛かっていた調べ物が、グーぐれば、数秒で終わってしまう。ということは、1時間あれば相当数の調べ物ができるということですから、時間当たりには「濃く」なっているということですよね。
でも、出来ることは多くなっているのかもしれないですが、「濃さ」が増しているようには感じないんですよね。これって、自分だけでしょうか。
便利になって、時間を短縮できている分、その間で見なければいけなかったことを、沢山見落としている感じがするのです。
たとえば。普段車で移動しているところを、歩いて散歩してみてください。
普段見落としているお店がみつかったり、道端咲いている小さな花を見つけて季節を感じたりすることがありますよね。
ITも同じで、コミュニケーションを途中を端折ってしていることで見落としていることが多いのではないかという気がしてならないのです。
今の若い人たちはラブレターをメールで書くそうですが、昔若かりしころ手紙に一文字一文字思いを馳せながら書いていたときと、手紙ひとつとっても重さが違うと思うのです。
ここに日々の「濃さ」の要素が入っているとおもっていて、IT化が進むなかでは、ひとつひとつのやっていることが「薄く」「沢山」のことをやっているだけで、なんだか全体的に薄くなっている気がするんですよね。
私は「濃い」人生こそが、人が最後に「幸せだった」と思える必要条件だと思っているので(様々な意見があるのは承知の上)、幸せになるためには、日々を「濃い」生活にしなければいけないとおもって生きてます。
ITを生業としている自分としては、ITを無視できないですが、仕事も私生活もITをうまくつかいこなしながらも、日々の「濃さ」を追求していきたいとおもいますし、ITや車などの”便利な道具”に振り回されて薄い日々にならないようにしたいものです。
皆さん。日々「濃さ」を考えて生きてますか?。

システム開発プロジェクトの成功って何?

システム開発プロジェクトの成功率が低いって最近良く言われますよね。
日経コンピュータの2003年11月17日号にも、
050p) 2003年情報化実態調査 プロジェクトの成功率は 26.7%
と、低いことがアンケート結果から示されています。
このアンケート。プロジェクトの成功の定義は、
”システム開発で守るべき3条件「QCD(品質・コスト・納期)」をクリアできなかったプロジェクト”
と定義をしています。
本当にそんな定義でよいのでしょうか?
システム開発プロジェクトって、そもそもなぜ生まれるのか、という原点に返って考えてれば、QCDを達成すればプロジェクトが成功だ!などと言えないことにすぐに気づけるとおもいます。
ちょっと脱線しますが、そもそも”システム”って何でしょうか。
”システム”(ここでは社内の業務システムに限ります。最近は、システムで儲けるビジネス用のものも多いですからね)は、人間の労働を楽にしてくれるツール以外の何物でもないはずです。
最近、”戦略的情報システム!!”等、システムを活用し企業活動・経営活動に生かせば、経営が変わる!というような記事・広告から勘違いしている人も多いかもしれませんが、これだって人間が欲しい!と考えた数値を、コンピュータが”人より早く”計算してアウトプットしているだけですよね?。つまり、人間が”計算”するのを、コンピュータが代わって”計算”しているだけでしかないのです。
この原則に則って考えれば、システム開発プロジェクト(繰り返しますが社内業務用ですよ)が生まれる理由は、
「人間の活動を楽にする」
ということに集約されているはずなのです。
これが目的なのであれば、プロジェクトの成功条件とは、
「如何に人の仕事を楽にできたのか」
ということのはずではないでしょうか。
今まで、管理業務をするために、丸三日掛かっていたものが数分でできるようになる、とか分析をするのに、多方面からデータを集めるのに一週間掛かっていたのが、発生源入力でデータベース化でき即時分析ができるようになった、とかが具体的な”効果”であるはずです。
つまり、この”効果”の積み重ねが、システム開発プロジェクトの総投資額を超えない限りは、企業活動にとっての利益(お金)を生まないわけで、いくらQCDを守れても、「人間の活動」が楽にならなければ意味が無いのです。
ということは、
プロジェクトの成功=(発生利益(Σ(楽になった))>プロジェクト総投資額)
ということではないでしょうか。
日経コンピュータの記事では、QCDの着眼点で書いているようですが、上記の定義に基づけば、プロジェクトの成功確率は実際のところどうなんでしょうか。
たとえQCDが大きく変動があったとしても、そもそものプロジェクトの目的は、”効果が投資額を上回る”のはずですから、一概に、期間が延びたとか、投資額が増えた、という理由だけで、”失敗”と位置づけるというのはどうなんでしょうか。
上記定義に基づいてプロジェクトが成功!したとすれば、システム作りという単純な世界の成功・失敗という話ではなく、”経営に寄与できたかできなかったのか”という、真のITの利用目的の姿で、プロジェクトの成功・失敗を判断できるのではないでしょうか。
システムを作る人も、”使われないシステム”なんて作りたくないですよね。
せっかく作ったシステム。利用する人・投資の意思決定をしてくれた人から、”ありがとう!”と言われるシステムを作りたいはずです。
”ありがとう”といわれるようにするためにも、上記のプロジェクトの成功の考えを持ってシステム開発をすれば、たとえ、QCDが守れなかったとしても、顧客から喜んでもらえ、自分も達成感のある仕事ができることでしょう。
近視眼的な発想においては、システム開発プロジェクトの成功は、QCDを守ってシステムが動いたとき、だとはおもいます。
しかし、近視眼的にならずに、真のIT投資・利用の目的に立ち返り、
プロジェクトの成功=(発生利益>プロジェクト総投資額)
ということだ、ということに気づいてシステム投資・システム開発を進めることが今のIT業界全体に求められている基本的な考え方ではないか、と日々考えています。
QCDがシステム開発プロジェクトの成功要件だ!!、などと考えているから、QCDは達成したものの”ユーザーに使われない=効果の無い”というようなわけのわからないシステムがたくさん出来上がっているのではないでしょうか・・・・。
意識を持っていなかった方。これを機に、考え方を切り替えてみませんか?。概念は理解できても、実際に行動に移すことは難しいものです。でも、まずは考えて初めてみることが大事です。考えなければ何も始まりません。
P.S.
システム開発プロジェクトと一括りにしてますが、実際は、

・既存システムが古くなってしまったために、システム側の理由(保守切れ)などで変更するプロジェクト
・システム費用そのものを下げる、というようなプロジェクト
・システムを用いて利益を上げるためのシステム開発プロジェクト

などもあると思うので、あくまでもこのコラムでは、”新しく社内用の業務システムを作る”という視点でのみ書いています。
とは言っても、投資額を上回る利益が出ないシステムは、意味が無いですよね。

ブラウザ?

Operaがバージョンアップし、Opera9がリリースされたようです。
ウィジェットやBitTorrentに対応した「Opera」v9.0の日本語対応版が正式公開(窓の杜)

今回の目玉が、

・“ウィジェット”と呼ばれるデスクトップアクセサリー
・P2Pファイル交換システム“BitTorrent”で配布されているファイルのダウンロード機能

の2つらしいです。
BitTorrentは、まだ理解できますが、ブラウザに”ウィジェット”って必要なんですかね。JavaScriptのエンジンを持っていて、表示”できるから”表示しているだけなんでしょうか。
それにしても、ブラウザマーケットは、IEが圧倒的なシェアをとっている中で、Firefoxがシェアを伸ばしてきて、Operaの存在価値がだんだんなくなってきているのでしょうね。そんななかで、”不要じゃないの”って思える機能を実装しはじめるのは、ブラウザとしては末期なんじゃないかなぁと思う今日この頃。
自分はSleipnirを常用していますが、日々ブラウザとしてあれば便利な機能が拡張されているのをみるに、Operaが間違った方向に拡大しているのではないかと余計な心配をしてみたりしています。
P.S.
システム開発者の一人としては、ブラウザが標準化?されて、一つになるほうがテストが減ってうれしいんですけどね。:p)

情報システムって誰のもの?

よく聞く話。あなたの会社にこんな人いませんか?
情報システム化の予算を取るときは、一生懸命
「こんなシステムが必要なんだ!」
と大々的に必要性を訴える人が、いざシステム開発となったら、
「後は作っておいて」
と情報システム部に丸投げする人。幸いにも、こういうに私は直接遭遇したことはないのですが、友人等からはよく聞く話です。日経XXにも事例等で記事になっていますよね。
そもそも、情報システムって誰のものでしょうか。情報システム部のもの?。
違いますよね。情報システム部はあくまでも”提供者”。その情報システムを用いて、投資をした効果を出さなければいけないのは、”利用者”である業務をつかさどっている人のはず。
たとえば、家を作るときに、銀行から借り入れの手続きだけして、後は工務店さんに”まかせたので自由にやって”なんて気前のいい人いますか?。家だったら、何部屋ほしい、どういう目的の部屋が欲しい、トイレは何個、外装のイメージは、等々色々細かい”要件”を決めているはず。
また、実際に家を作っているときには、時々建築現場に訪れ、大工さんを労り、さらに工程進捗の確認や、その場で見つかった細かい問題を一緒に議論して解決しているはず。
さらに、実際に家ができあがったら、自分が工務店に”要件”として伝えたものがきちんとできているか。また、実際の家の作りが品質良くできているか。更に、予算内に収まっているか、などを確認しているはず。
家を作るときは、こんなに細かいところまで確認しているはずのものが、いざ”情報システム”となってしまっただけで、”あとはお任せ”になってしまいがち。
自分で使うもの、自分たちで効果を出していかなければいけないもの、という認識があれば、要件を決めるところ、工程を確認するところ、成果を確認するところをしっかり”働かなければいけない”はずですよね。
なぜそんなことになってしまうか、といえば、結局のところ
「自分のお金じゃないから」
ではないでしょうか。身銭を切れば、無駄遣いは絶対にしない!と強い思いがあるはずですが、会社のお金、部門のお金となった瞬間にこの気持ちが緩んでしまうのだとおもいます。”自分のお金”と思って投資をしてもらうためには、”効果のコミットメント”しかないと思っています。
家を作るときには、”効果のコミットメント”を自分で自分に対してしているのです。会社の投資でするのであれば、”投資の意思決定をしてくれた人”に対して”効果のコミットメント”をするべきです。
効果のコミットメント。言うのは簡単ですが、実際は難しい問題が山積しています。とはいっても、やらなくても良いといものではないはず。
家を作るときであれば、”住み易い家ができた”ということが”効果”の1つのはず。情報システムを作るときにも”何を効果と定義する”ということから開始をすることが大事ではないでしょうか。そうすれば、”会社に対しての約束事=効果創出のプレッシャー”が生まれ、”放任の投資”というものが抑制されるのではないでしょうか。
いい”家”ができれば、だれもが”うれしい[:嬉しい:]”ですよね!

Σプロジェクトの再来?!

シグマプロジェクト
皆さん、”シグマプロジェクト”ってご存知ですか?
IT業界に長い人は、一度は聞いたことがある、”歴史に語られて良いほどの大失敗プロジェクト”です。
何をやろうとしたプロジェクトかは、下記のサイトに詳しく書かれているので、ここでは省略します。
シグマはどこへ消えた?
Σ(シグマ)計画
シグマ計画
端的に言うと、ハードウェアベンダーと役人が、当初起案された”すばらしいプラン”を捻じ曲げて、税金の無駄遣いをしたプロジェクトですね。
このシグマプロジェクトが”失敗”をしてから早20年以上経過しようとしています。
なぜ、こんな昔の失敗プロジェクトのことを改めて書いているか。
今も昔も変わってね・・と、最近感じることが多いからです。
一昨日書かせていただいた、”日本版OS構想”がまさに、”変わってね・・”と感じたニュースでした。
どう考えたってベンダーと役人(もしかしたら後ろに、大学教授群が居るかもしれないですね)がつるんで、”お金を使うため”の計画を立てたとしか思えません。
民間ができることは民間がやる、んじゃなかったでしたっけ?
そもそもの目的ってなんでしたっけ?
世の中がオープン指向・オープンソースへと向かっているところで、”国”が介在したものを誰が使いたいと思うんでしょう。個人が信じられないから、”国”は信じられる。その信じられる国が作ったOSであれば、だれもが使うようになるとでも思っているのでしょうか。
さらに、セキュリティ対策でやるのであれば、”すべてのPC”が同じセキュリティレベルを持っていなければ意味が無い・一部レベルの低いものがあれば、それがセキュリティホールになる、という一般常識を今回の”日本版OS構想”を考えた人たちは理解しているのでしょうか。
セキュリティで守られるということは利便性が下がるということ。テスト的に一部の環境から導入するなんていってますが、その”一部”の環境は”利便性”が下がる環境ということ。そんなものを、皆さん使いたいですか?
セキュリティに守られた環境を入れれば、セキュリティは担保されるだろう。
多分こんなことを彼らは考えたのでしょう。でも、所詮人間が使う道具です。どんなに高度なセキュリティ対策を施しても、人間の行動を100%抑制することはできません。”OSを作る”なんて、どう考えても巨額投資が必要になりそうな計画を実行しても、少しばかりのセキュリティレベル向上するだけでしょう。
そもそも、この発端って、役人で仕事に使っているPCにWinnyを入れたふざけた奴が居たからでしょ?。なんでこんなふざけた奴のために、税金が投入されないといけないのでしょうか。税金で買った役人のためのPCに、Winnyが必要なんでしょうか。税金の無駄遣いをしておきながら、更にその無駄遣いを防ぐためにまた無駄遣いをする、というわけの分からない構造になっています。
シグマプロジェクト同様、本来の目的がベンダーや学者・役人によって捻じ曲げられ、そのまま巨額の税金が投入される、という同じことを繰り返しているような気がしてなりません。
この悩みを解決してくれる答えを持っている人っているんですかねぇ>お役所殿

「Linuxは簡単」という小学生は90%

「Linuxは簡単」という小学生は90%,教員は60%—経産省による導入実験,結果公開
ITproの記事によると、岐阜県,茨城県つくば市,京都府の京田辺市,岡山県総社市の4地域で,インターネット調べ学習やデジカメ画像での資料作成などの実践授業をLinux上で行った。 岡山県総社市で実施したアンケートでは。児童生徒の約90%がオープンソース環境を「とても簡単」または「まあまあ簡単」と回答したとのことです。
うーん。
なんか、”作られた数字”っぽい感じは否めませんが、話半分として聞いたとしても、Linuxに対しての子供の抵抗感はそれ程ないということのようです。
確かに、初めて触った画面がGNOMEとかであれば、子供からしてみれば、それが当たり前のデスクトップ環境なんでしょうから、特に違和感も感じずに使うことができるんでしょうね。
子供の頃から、Linux環境に慣れ親しんだ子供が、10年後に社会に解き放たれるわけで、その頃には、今のおじ様たちのように、
「こんな環境じゃ使えないよ!」
とか
「Windowsと違ったら使えないよ・・!」
という不満を言ったら、馬鹿にされるようになるんでしょうね。
それにしても生まれて初めて触ったOSが、Linuxという子供が、同じ職場で仕事をするような時代がすぐに来そうということに、若干の不安を感じる今日この頃です。
10年後、ITについていけてるかなぁ・・・。

「ウィニー」対策 政府が独自OS開発へ?!

政府の決定は、笑わせてもらえるものがたくさんありますが、今回の発表はその中でも秀逸です。
「ウィニー」対策 政府が独自OS開発へ
「情報セキュリティー政策会議」(議長・安倍晋三官房長官)でまとめた実施計画「セキュア・ジャパン2006」の原案に独自OSを開発するということが盛り込まれたそうです。
もう、なにがなんだかわからんちんなのですが、政府が独自OSににしようとがんばったTRONですら(これは、本当に国産OSを出そうと”本気”で取り組んだ計画だったとおもいます)上手くいかなかったというのに、たかだか”ウィーニー対策”というモチベーションだけで、”独自OS”ができると思っている政府の方々が居るってのが理解を超越してます。
独自OSってからには、カーネルから作るって話なんでしょう。
OSだけ作ってもそのうえで動くアプリケーションとかはどうするつもりなんですかね。
OSだけ作れば、今までの勝手にアプリケーションが動くって思ってるんでしょうか。
#おっと、”ウィニー対策”が目的ですから、今までのアプリケーションは動いちゃまずいんですね。
#よくよく調べたら、OSをラッピングするOS(OSのOS)のようなので、今までのアプリは動いちゃうんですね。
政府用のPCから導入ってことになるんでしょうから、たくさんの政府用のアプリケーション開発などを目論んで虎視眈々と利権をGETしようとしている人たちの影が見えますね。
”ウィニー対策”だったら、元京大助教授に”一行”の書き換えてもらって、対策してください。
そのために、貴重な税金を、わけの分からない利権集団に持っていかれるなどというのは、腹立たしいを通り越しておかしくなってきます。
なんで、政府のIT関連判断って、こういう一般常識を超越した、一般人には理解できないような意思決定が行われるのでしょうね。こんなことを議論しているような会議があるのであれば、その会議に出ている人たちのコスト(=税金)も返納してほしいです。
って、そもそも、”独自OS”とやらを作ったら、いくらのプロジェクトになるんでしょうかねぇ。
って、ここまで書いて、”政府もそれ程馬鹿じゃないだろ”と思って、もう一度調べてみました。
政府が開発するセキュアOS環境とは?
どうも、既存OSをラップするようなOS?を考えているようです。マルチコアのCPUが増えてきたので、複数OSがう動く時代になって、OSの多段化をしても大丈夫だろ、というロジックのようです。
でもね、OSって言うからには、安定性が大事。多種多様なデバイスとの接続もできなければいけない。こんなことが、”ウィニー対策”という程度のモチベーションで成し遂げられるとは思えないっす。
ウィニー対策程度であれば、途中の経路でいくらでも防げるでしょう。防ぐ方法を調べもせずに、余計な税金を投入して、わけの分からない対策案を考えるという団体の意義を疑いたくなります。
やっぱり調べては見たものの、わけわかんねー、と思ったニュースでした!。
P.S.
シグマプロジェクトの再燃のような気がしてなりません・・・・。
MacのOS X 上でWindowsを動かして、OS X上にパケットフィルターを動かす、っていうのじゃ駄目なのかな。

一週間でパソコンをマスター?

『一週間でパソコンをマスター』
今日、新聞を読んでいて見かけた広告です。
パソコンの基礎から、Word/Excelまでを覚える講座のようです。
よ・・く読んでいくと、???と思うところが・・・。
一週間でマスターをする!というすごい高いハードルの講座ですから、てっきり”スパルタ”式に教室に集まってやるのかと思いきや、”CD-ROMで学習!”とのこと。
パソコンが始めての人に、”CD-ROM”配ってどうするつもりなんだろう・・・というところは置いておいたとしても、CD-ROMで演習するだけで、一週間でパソコンの基礎が分かってWordもExcelも使いこなせる(=マスター)できるのかな?と。
誇大広告も、いい加減にしなさい!!
そもそも、パソコンが分からない人は、”何からやったらよいかわからない”という、得体の知れない恐怖心にさいなまれています。
そんな人たちを””にすべく、耳ざわりの良い言葉で、

・一週間でマスター
・パソコンなんて簡単!
・Word・Excelもすぐに習得!

など、ウソを並べてクソ高い学習教材を売りつけるというのは、一種の詐欺としか考えられません。
そもそも、パソコンが、簡単なわけが無いじゃないですか。
そりゃ、昔のコマンドラインから操作しなければいけない時代から考えれば数倍楽にはなったと思いますが、それでも、パソコンに触ったことが無い人にとってみれば、”キーボード”があることだけでも、十分”難しい”存在なのです。
電源の入れ方。キーボードの使い方。マウスの使い方。
たったこれだけのことを覚えるだけでも、一週間で”マスター”などということはできないのです。
たとえば、”一週間でピアノをマスター!”なんて本があったとして、あなたはそんな本が信じられますか?。キーボードを使いこなすということは、ピアノのバイエル程度(入門書)のことができなければいけないのです。でも、バイエルでさえ、一週間でマスターするにはとても大変なことです。
こういう詐欺的な教材や本が、まだまだ多く流通しているので、余計に”パソコンアレルギー”の人を増やしているのではないでしょうか。
今、世の中で販売されているパソコンは難しい物。難しい物を使いこなすためには、長い訓練が必要。この訓練を省略して(=近道して)、”マスター”などということは有り得ません。
こんな教材にお金を払うぐらいであれば、一台パソコンを買って、壊れるぐらいまで使い倒して、体で覚えるほうが何倍も自分のためになると思います。
IT業界に身をおく一人として、こういう詐欺的な商売がまかり通っているのには、本当に腹が立ちます![:怒り:]。

惜しいぜPanasonicさん

Let’sノートの夏モデルが一気にリリースされましたね。
水にも落下にも負けない「Let’s note LIGHT」の新モデル
松下、Core Solo U1300搭載「Let’snote W5/T5/R5」・・T5は15時間駆動

正統派としての、成長をしました。
・一部の機種の筐体変更(ボンネット形状の変更)
・電池の持ち時間が延長(CPUの変更による電力コントロール性能向上)
・一部の機種は、キーボードに水をこぼしてもOK。
これだけ見ると、欲しい!と思えるほどの成長がしていないのですよね・・。
確かに、強度が増して、電池も持つようになるというのはモバイル機器としては、正しい方向性なんでしょうが、”味”が無いなぁと。
個人的に欲しいのは、
・R5の縦幅でT5の横幅で、重量は1キロ以内
というLet’s noteが欲しいです。
というのも、今後、Windows VISTAが出てくると、サイドバーを使うのが当たり前になります。サイドバーを使うということは、今の3:4の画面比では横幅が足りなくなることは誰でもわかることと思います。
VISTAは来年出てくるといわれていますから、今慌てて買っても今年一年経った後に、9:16の画面比のPCが現れたらすぐに欲しくなることでしょう。
現に、SONYや富士通はノートも横幅にワイドのものを主流にしていますので、Let’s noteは若干出遅れているのではないでしょうか。
「R5の縦幅でT5の横幅で、重量は1キロ以内」のLet’s noteが発売されたら、すぐに買いますよ!>松下様

ワープロの再来?!

一時期「ユビキタスコンピューティング」という言葉が、IT業界で流行していましたね。
#そういえば、この言葉も最近聞かなくなりましたね。
コンピュータの意識しなくなる、意識しなくても利用できるようになる、というのは今後のコンピュータの流れであることは誰も疑うところが無いところでしょう。
まだ、WindowsがどうのこうのとOS議論が色々されていますが、これも後数年で議論されることも無くなるでしょう。
だって、OSがどうかなんてことはそもそも利用者にとってはまったく関係の無いことですから。利用者は、ドキュメント作成やWWWで調べ物をしたいのが目的で、OSを使うのがPCを使う目的ではないのですから。
という状況なのに、WindowsVistaの発売が遅れた、といことだけで、IT業界にこんなに混乱が起きるのはなぜなんでしょうか。相変わらず、メーカーが自分たちが持っている商品を無理やりにでも売りたいという、消費者不在の議論が行われていないでしょうか。
今後、間違いなく、利用者にとってOSというものが意味がない時代が訪れます。
では一例で、いつの間にか自分の傍にOSが埋め込まれているのに気づかない事例をば。
・FOMAの一部の携帯電話(シンビアンOS)
・東芝の携帯音楽プレイヤー(Windows Mobile)
・某社のハードディスクレコーダー
・・・
OSが何か、ということよりも、利用者は其の上で動いているアプリケーションで選択をする時代が訪れました。このようにコンシューマーの世界では、コンピュータの業務利用より一足先に、「ユビキタス」の世界へと突入しました。既にOSなどというものにとらわれない世界に突入しているのです。
次は、間違いなく業務用アプリケーションもOSなどを意識しない、何時でもどこで使えるという「ユビキタス」の時代が訪れます。
皆さん、コンピュータを使ってやっている”業務・仕事”ってどんなものがありますか?
a・業務アプリケーション利用
b・電子メール・WWW閲覧
c・ドキュメント作成(表計算によるデータ加工を含む)
などが主利用目的ではないでしょうか。
a、の業務アプリケーション利用は、自分のPCで限定する必要が無く、簡単に利用できる端末があればそれでよいはずです。高速な処理はPCで処理をするのではなく、サーバサイドで処理をするのでしょうから、一昔前のダム端末に類するスペックを持っているものでよいようになるでしょう。
b、の電子メール・WWW閲覧については、アナログ電話が携帯電話に移り変わったのと同じく、自分の席に座って使うというスタイルから、いつでもどこでも使いたいというニーズが代わるはずです。これも高速処理を求める高性能のPCではなく、小さく・軽いモバイルツールの専門機種にに移り代わっていくでしょう。
c、のドキュメント作成は、キーボードを使うという制約上、ハードウェアとして小さくするのは限界があります。しかし、これもそれ程の高速処理を要するわけではありません。もしかしたら、昔のワープロのように、ドキュメント専用に、軽く・小さく・安い専用マシンが登場するかもしれません。其のときには、OSがWindowsでなく、立ち上げたらすぐにOffice互換のデータを出力できるアプリケーションが起動している感じになっているかもしれません。
a,b,cを総合的に見ると、”業務・仕事”用で、高速・高性能のコンピュータって、本当に求められているのでしょうか。OSが進歩しても、画面が3Dになる、見栄えがきれいになる等、ある意味”無駄なこと”に起業が投資をしなければいけないという状況になっていないでしょうか。
まだまだ、”業務・仕事”用のコンピュータの世界は、ユーザーが置き去りになり、メーカーの論理で製品提供が行われています。ユーザーが何を求めているのか、そのために必要なプラットフォームは何か、ということをきちんと考えて提供する企業が出現することを切に祈ります。
なんか、今回は取りとめの無いコラムになってしまいましたが、利用者無きマーケットに未来は無いはずということを言いたかったのです。今は利用者をだませてはいるものの、いつか気づいて怒涛のように業界再編が起きるのではないか、と予想しています。Google がPCを販売する時代が来るかもしれないですね。
なーんてことをつらつら書いていたら、こんな記事を発見!
欲しいモノは「PCよりデジタル家電」
やはり、コンシューマー市場からPC離れが始まっているようですね。