情報システムって誰のもの?

よく聞く話。あなたの会社にこんな人いませんか?
情報システム化の予算を取るときは、一生懸命
「こんなシステムが必要なんだ!」
と大々的に必要性を訴える人が、いざシステム開発となったら、
「後は作っておいて」
と情報システム部に丸投げする人。幸いにも、こういうに私は直接遭遇したことはないのですが、友人等からはよく聞く話です。日経XXにも事例等で記事になっていますよね。
そもそも、情報システムって誰のものでしょうか。情報システム部のもの?。
違いますよね。情報システム部はあくまでも”提供者”。その情報システムを用いて、投資をした効果を出さなければいけないのは、”利用者”である業務をつかさどっている人のはず。
たとえば、家を作るときに、銀行から借り入れの手続きだけして、後は工務店さんに”まかせたので自由にやって”なんて気前のいい人いますか?。家だったら、何部屋ほしい、どういう目的の部屋が欲しい、トイレは何個、外装のイメージは、等々色々細かい”要件”を決めているはず。
また、実際に家を作っているときには、時々建築現場に訪れ、大工さんを労り、さらに工程進捗の確認や、その場で見つかった細かい問題を一緒に議論して解決しているはず。
さらに、実際に家ができあがったら、自分が工務店に”要件”として伝えたものがきちんとできているか。また、実際の家の作りが品質良くできているか。更に、予算内に収まっているか、などを確認しているはず。
家を作るときは、こんなに細かいところまで確認しているはずのものが、いざ”情報システム”となってしまっただけで、”あとはお任せ”になってしまいがち。
自分で使うもの、自分たちで効果を出していかなければいけないもの、という認識があれば、要件を決めるところ、工程を確認するところ、成果を確認するところをしっかり”働かなければいけない”はずですよね。
なぜそんなことになってしまうか、といえば、結局のところ
「自分のお金じゃないから」
ではないでしょうか。身銭を切れば、無駄遣いは絶対にしない!と強い思いがあるはずですが、会社のお金、部門のお金となった瞬間にこの気持ちが緩んでしまうのだとおもいます。”自分のお金”と思って投資をしてもらうためには、”効果のコミットメント”しかないと思っています。
家を作るときには、”効果のコミットメント”を自分で自分に対してしているのです。会社の投資でするのであれば、”投資の意思決定をしてくれた人”に対して”効果のコミットメント”をするべきです。
効果のコミットメント。言うのは簡単ですが、実際は難しい問題が山積しています。とはいっても、やらなくても良いといものではないはず。
家を作るときであれば、”住み易い家ができた”ということが”効果”の1つのはず。情報システムを作るときにも”何を効果と定義する”ということから開始をすることが大事ではないでしょうか。そうすれば、”会社に対しての約束事=効果創出のプレッシャー”が生まれ、”放任の投資”というものが抑制されるのではないでしょうか。
いい”家”ができれば、だれもが”うれしい[:嬉しい:]”ですよね!