X68000への憧れ

X68000
これが世の中にでたとき、かなりの衝撃を覚えました。
当時8801mkIISRを愛機にしていた私としては、16ビットパソコンといえば高嶺の花。その高嶺の花が、ほぼゲーム専用機と思えるような仕様で発売されたのですから。16ビットPCでゲームをするなど、もったいなくて出来ないよ!と思っていた時代だったので、シャープの思い切りのすごさに驚きました。
当時、シャープは、X1系とMZ系の2つのパソコンシリーズを持っていました。
#そもそも、シャープの規模で2つのアーキテクチャを提供できていた時代というのも良き時代だったんでしょうね。この話は、また別の機会に。
X68000。名前の通りX1の後継シリーズとして発売されました。
そのスペックはこんな感じ。
 CPU MC68000 16/10MHz
 メモリ 2M

当時としては、かなりこうスペックだった記憶があります。
また、このマシンは、この当時としては、斬新なスタイルをしていました。当時のコンピュータ(特に16ビット)はオフィス用をターゲットにしていたので、横長スタイルで、PCの上にディスプレイを置くというのが通常スタイルでした。
ところが、X68000は、縦型。2つのピザボックスを立てたような形(マンハッタンシェイプと呼んでいました)。このデザインって、今使っても十分通用するほど先進的なデザインだったのだとおもいます。
#途中で、デザインでひよったのか、横置きのX6800proなどという製品をだしたのも、シャープらしいですね。

ゲーム利用者をターゲットにしたパソコンなので、ゲーム向け性能は群を抜いていました。特に、画面を重ねるスプライト機能を持っていたため、X68000用のシューティングゲームなどがたくさん発売されたことをいまだに覚えています。
もちろん、ゲーム専用に設計をしたPCなど、親が買ってくれるわけもなく、電気屋さんで触るのがせいぜいでした。友人の間でも、X68000を持っている人がいなかったぐらいなので、デザインは斬新でしたが、それ程多くの販売数量は無かったのかもしれません。
この名機も、PC9801でたくさんのゲームが発売されるようになってきたこと、NECのシェアが高まり、シャープ製の独自アーキテクチャPCということで敬遠され、本流のPCになることは有りませんでした。
今のPCは、内部の仕組みがどれも似たり寄ったり。外枠も規格があるので、奇抜なデザインは作りにくい。メーカーも守りに入っているので、デザインで勝負にならない。当時の、おおらかな時代だからこそ出来た企画なんでしょうね。シャープのようなデザインに力を入れた会社が、旨くマーケットの興味をひきつけられれば、Appleに次ぐようなコンピュータメーカーに成長をしていた可能性もあるんじゃないでしょうか。