IT業界に身をおく君に。

IT。
言わずもがなInformation Technology の略ですが、”Technology”と言う言葉から、どうしても0/1のDigital的な発想になりがちです。
しかし、そのTechnologyを作っているのは、曖昧さの塊である”人間”である、ということを忘れてはいけない、と思うんです。
・要件を考えるのも人間。
・要件を実装するための技術と戦うのも人間。
・それを使うのも人間。
ITというのは人と人をつなぐための道具でしかなく、だからこそ”人間味”を忘れてはいけない。
Digitalだから、何事にもズレ無く予定通にITを実装できる、なんてことはありえなく、Digitalを使う人間がAnalogなだけに、曖昧さを元に実装をしていく必要性が必然的に生まれてくる。
だからこそ、高い要望、高い目標を乗り越え、成功・ゴールを手に入れるために、様々な苦戦を突破することが必要なんです。
自分がIT業界・ソフトウェア業界に関与している身として、バイブルにしている(していた)のがこの本。
闘うプログラマー
闘うプログラマ
まさにこの本は、IT業界が華やかなカッコいい業界ではない、DigitalではなくAnalogの部分の大事なんだ、ということをドラマチックに真実を伝えてくれています。
(すでに絶版になっている本ですが、amazonなどで安く買えます(100円以下!です))
DECという、昔にIT業界を席巻した会社(若い人は知らないかな…)のカトラーという主人公が、Microsoftに移籍し、WindowsNTができるまでの物語です。
マイクロカーネル、という当時画期的な技術を持って、当時のWindowsの致命的な欠陥(というか、Windows9xまでずっと持っていた欠陥)を、根本から変えた男です。
男というか”漢”と書いて”オトコ”と読む、ぐらい熱血漢の人。
WindowsNTのような巨大なOSをつくりあげるような大きな仕事を成し遂げるためには、このぐらいの”熱さ”がなければ達することができないんだなぁ、ということがこの本を読むとわかります。
この本がすごいのは、内容がフィクションではなく、当時本当にMicrosoft社の中で起こっていた事実である、ということ。
発売と同時(1994年。もう14年も前だ…)にこの本を読んだのですが、こんなには熱くなれないなぁ、と思ったのも思い出しました。
#今は、カトラーと同じぐらいの熱さをもって、仕事をしているつもり(したいとおもっている)んですけどね。
読んだことが無い人は、ぜひ一度読んでみてください。
特にIT業界に身をおいている人にとっては、PMBOKや、CMMなどの、”机上論”を学ぶよりもよっぽど勉強になりますし、得るものは大きいはずです。
自分も14年ぶりに、もう一度読み返してみようかな。
p.s.
闘う●プログラマー―アセンブラを知らない子供たち (I・O BOOKS)
も、意外と必読本です。
カトラーと比べるには、カトラーに失礼すぎますが…。