”おじさま”は、なぜコンピュータに近寄れないのか

IT業界に居る人なら、いつでも悩むこと。”おじさま”に教えるのが大変。
#ここではあえて、コンピュータに近寄れない中年以上の方を”おじさま”と呼ぶことにします。
”おじさま”に”コンピュータ”へ近づいてもらうためには、”基礎力”と、”忍耐力”。
普通の会社に働いている方で、”コンピュータ”に詳しい人は
「あぁ、xxクン。ちょっとこの操作がわからなんだけど教えてくれないかね」
とちょくちょく聞かれていることかとおもいます。
”そんな操作覚えてよ!”とか、”一回教えたじゃん!”とか。
皆さん多かれ少なかれ、こんな場面に遭遇したことがあるのではないでしょうか。
私は”おじさま”が”コンピュータ”に近寄れない理由は主に二つに集約されるのではないかと思っています。
A・いまさら(恥ずかしくて)聞けない
B・(進歩が早くて)覚えたことが使えなくなってしまって疲れている。

この2つの理由に対して、どのようにそんな場面を抜本的に解決していけばよいのかということを自分の経験談も含めて書かせてもらいます。
まずは、A:いまさら聞けないについて。
私は英語が苦手です。じゃ、勉強すればいいじゃん!と皆に言われますが、”いまさら・・・」という気持ちがあるのは正直なところ。二十歳前後の若い人に混じっていまさら英語の勉強をやり直すのはちょっと・・・と思っています。この気持ちが、”おじさま”がコンピュータに近寄れない理由のひとつではないでしょうか。
これを解決するためには、それが無いと生きていけないという状況に追い込むことです。
親切心で”おじさま”に聞かれたことを、一つ一つやってあげてしまっている人いませんか?。それではいつまでたっても”おじさま”は独り立ちできません。
ここは、心を鬼にして、おじさまを”追い込んで”あげてください。一見冷たいように見えると思いますが、これからコンピュータを使いこなさないと仕事ができない時代。”おじさま”はコンピュータが使えないだけで、仕事もできない人、というレッテルを貼られかねません。”忍耐力”をもって、おじさまを支援してあげましょう。
そのときに大事なのは、”ほめてあげること”。”おじさま”は自分が成長していることを自分では気づけません。ですから、
「xxさん!。そんなこともできるようになったんですか。すごいですね!」とか、おだてるぐらいの勢いでほめてあげましょう。たったそれだけのことで相当モチベーションが上がります。
こんなことがありました。以前、やっとExcelを覚えた”おじさま”がいました。その”おじさま”。ピボットテーブルの使い方を知らないので、集計をするのをすごい複雑なことをして処理をしていました(1つの表の集計で半日仕事ぐらい)。この”おじさま”に、”ピボットテーブル”を使って、ホンの1,2分で彼がやったことと同じことをやって見せたのです。このときの”おじさま”の感動の顔といったら忘れられません。でも、二度は教えません。”おじさま”は、やり方はわからないけど、”簡単にできる方法がある”ということを知ったので、次は自分でExcelの本を買ってきて勉強をし始めました。その方と別れるころには、Excelのピボットやフィルタから簡単な関数まで使いこなせるように成長されていました。
#もちろん、成長が見えるたびに”すごいですね!”とおだてまくっていましたけどね。
つぎに、B・(進歩が早くて)覚えたことが使えなくなってしまって疲れている。
”コンピュータ”の進歩は私ですら付いていけないほど早いです。ですから”おじさま”にとっては、この速さを理解ができないとおもいます。なんで去年まで使えたことが、いつの間にか変わっているのか、変わる必要があるのか、ということが分からない。
これを解決するためには、”ITの基礎力の強化”しかありません。”コンピュータ”に詳しくない人ほど、いきなり”応用”を”記憶”するだけで使いこなそうとする。このため、ちょっとでも作法が変わると”記憶”していたものが使えなくなってしまって”応用”できなくなってしまう。なので、着いていけないといことになるのです。
  ・コンピュータってそもそもどうやって動いているの?
  ・なぜOSというものがあるの?
  ・プログラムってそもそも何?。
  ・ファンクションキーってそもそのなに?
  ・画面にたくさん画面がでるのはなぜ?
  ・「CTRL+ALT+DEL」なんて複雑な組み合わせのキーを押さないとだめなの?
  ・アプリケーションが、落ちるのはなぜ?。
  ・”通信”ってそもそも何?
  ・・・・・
こんなことを、一つ一つじっくり教えてあげる時間をかけることが、遠回りに見えて実は近道なのではないでしょうか。これを読んでいるあなたは”おじ様”に教えるときに、”これとコレをおして、コレをクリックすればいいんですよ!”と、答えだけ教えていませんか?
今の若い人で、この辺りの”基礎”を”感覚”で理解している人には、”なぜこんなことがわからないの?”と思うかもしれませんが、”おじさま”たちは、会社で数十年”手書き+電卓”で働いていたのに、ある日突然”コンピュータ”が自分の机の上を占領し、理解をするまもなく会社から使うことを強要されてきたのです。
”基礎”を学ぶ時間など、彼らには無かったのです。とてもかわいそうだと思いませんか?
スキーをはじめてやるときも、いきなりパラレルを教えたりしませんよね?。まずはボーゲン&転び方。それを学ぶ課程で”スキーはなぜすべるのか”。””止まるにはどうすればよいのか”という基礎を体で学んでいるのです。コレと同じように、”基礎”が何より大事です。
先ほどの「いまさら聞けない」というのは、厳しく接する。しかし、基礎については、”じっくり・しっかり”教えてあげてください。ただ、基礎だけじっくりしっかり教えようとしても、おじさまが拒絶するでしょう。そのときは、しっかり”追い込んで”、なぜ基礎を勉強しないと、応用ができないのかということを、たとえ話も含めて”理解”してもらってくださいね。
これで、あなたの「”ねぇねぇxxクン。これ教えて!」という”おじさま”からのラブコールが減ることとおもいます。
”おじさま”に”コンピュータ”へ近づいてもらうためには、”基礎力”と、”忍耐力”。これが大事です。
これって、コンピュータにかかわらず、新しいことを学び生かすためには、何でも一緒かもしれないですね。
皆さんの”苦労話”や”こんな風にやったよ話”があれば、コメント・トラバください!
追伸。
僕も”英語”に追い込まれるために海外にでも逃亡しようかな・・・